研究課題/領域番号 |
24530838
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
安藤 史高 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (70390036)
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研究分担者 |
小平 英志 日本福祉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00442228)
布施 光代 明星大学, 教育学部, 准教授 (10454331)
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キーワード | 積極的授業参加行動 / 児童 / 社会的・人格的発達 |
研究概要 |
我々は,児童にみられる授業への積極的な参加行動を「積極的授業参加行動」とし,「注視・傾聴」,「挙手・発言」,「準備・宿題」の3つを抽出したうえで,その様相や加齢に伴う変化を検討してきた(布施・小平・安藤,2006)など。 積極的授業参加行動と動機づけの関連について自己決定理論(Ryan & Deci,2000)に基づいて調査を行った(安藤・布施・小平,2008)ところ,「注視・傾聴」と「準備・宿題」は,自律性の高い外発的動機付け(高自律的外発的動機づけ),内発的動機づけのいずれとも関連をしていた。一方,「挙手・発言」は内発的動機づけとは関連していたが,高自律的外発的動機づけとの関連はほとんど見られなかった。このことから,高自律的外発的動機づけを持っており,「注視・傾聴」を行うものの「挙手・発言」を行わないという児童がいることが示唆された。 このことから,積極的授業参加行動を促進するためには,動機づけ要因に害の規定因についても検討を進める必要があると考えられる。そこで,本研究では動機づけ要因以外の社会的・人格的な要因が積極的授業参加行動に及ぼす影響について検討する。まず,どのような社会的・人格的要因が積極的授業参加行動に影響するのかについて検討する。さらに,それらの社会的・人格的要因の発達的な変化と,積極的授業参加行動の変化との関連について明らかにする。そのために,社会的・人格的要因と積極的授業参加行動の変化に関して縦断的に調査を実施する。 本研究により,児童の学習行動のより深い理解のみならず,クラス内での人間関係や学級経営といった教師の指導に関しても有効な知見を提供することができると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度には,まず24年度に未達であった小学校教員および教職を志望する大学生・大学院生に対する面接調査を実施した。予定している調査対象数をやや満たしていないため,今後も調査を継続して行う予定であるが,おおむね順調に進展している。 また,面接調査に基づき,積極的授業参加行動に影響すると考えられた自己意識および学級内での対人関係を取り上げ,積極的授業参加行動との関連について検討を行った。対象としては小学校3年生から6年生を対象とし,学年差について横断的な検討を行った。 以上のように,申請時の実施計画についてはほぼ予定通り遂行できていると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には,25年度に実施した調査結果に基づき,自己意識および学級内での対人関係の発達的変化に伴って生じる積極的授業参加行動の変化を縦断的な調査を行うことで明らかとする。 その際に,自己報告式の尺度だけではなく,観察記録によって積極的授業参加行動の変化を客観的にとらえるため,25年度の横断的な調査で示された,積極的授業参加行動と社会的・人格的要因との関連をもとに観察対象となる学年を選定する。そして,授業観察を行い,客観的な指標を加えて積極的授業参加行動の様相を明らかとする。 そのためには,授業観察・調査の実施への協力校・学級を確保する必要があるが,授業の観察・記録については学校だけではなく,児童の保護者等に協力への同意を得る必要もあるため,研究目的に関する十分な説明が必要となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に設備備品費として計上していた,デジタルビデオカメラ,三脚,保存用HDD,記録メディア,分析用パーソナルコンピュータなどについては,調査・観察の計画が具体化されなかったため,購入していない。 また,研究成果発表のためのホームページの作成に関しても,その運用形態について検討中であり,支払いにいたっていない。 以上の理由により,次年度使用額が生じている。 前年度までに購入しなかったデジタルビデオカメラ,三脚,保存用HDD,記録メディア,分析用パーソナルコンピュータなどについては,授業観察実施のために本年度に購入の予定である。平成24,25年度に引き続き,研究打ち合わせおよび調査実施に赴くための旅費を必要とする。また,調査実施にあたっては,文献・資料などの複写費,質問紙調査に必要な印刷用紙・文具などの購入費用,調査実施にあたっての説明書・研究協力同意賞の印刷費,各種文書の郵送費なども必要となる。 さらに研究協力者および研究協力者の勤務先の学校に対する謝金も必要である。調査実施後は,調査データの整理のために,研究補助者・資料整理補助者の雇用を計画しており,それらに対する謝金を要する。また,研究成果を発表するための費用として,国内学会での成果発表旅費,研究成果投稿料,報告書印刷費,ホームページ作成費を計上する。
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