研究課題/領域番号 |
24530842
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
石上 浩美 京都精華大学, 公私立大学の部局等, 講師 (00594144)
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研究分担者 |
矢野 正 大阪女子短期大学, その他部局等, 助教 (60522381) [辞退]
高橋 登 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00188038)
中島 由佳 大手前大学, 現代社会学部, 准教授 (80712835)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 教員自己形成モデル / 教師教育 / 自己形成支援 |
研究実績の概要 |
本研究では,これまでに教諭を対象とした職務上の葛藤・困難感や教職に対する満足度についての数量調査を行ってきた(石上,2011,2012,2013,2014)。その結果,各コホートそれぞれに課題があること,それを改善するためには,具体的な教員の職務上のニーズに合致した,養成・採用・研修のあり方について,質的に検討する必要がある頃が明らかになった。現職教員を対象とした数量調査データの分析はほぼ完了し,現在質的調査を継続中である。 学校種別によって教員が感じている葛藤・困難感やその解決手法にはどのような異同があるのかを数量調査から明らかになったことは,以下4点である。1)情緒:葛藤・困難感は高等学校のみ差がみられ,現職のやりがいは中学校のみが差がみられた。2)満足感:現職は学校種が上がるにつれて高くなり,職務上のスキルは高等学校のみに差がみられ,職場環境は中学校のみに差がみられた。3)問題解決:自己努力,人的リソースは3学校種による差は見られなかったが,体験知の転用は小学校と中学校の間で差が見られた。4)意欲:職務上のスキルは学校種による差はないが,現職継続は小学校と中学校の間で差が見られた。小学校・中学校・高等学校教員の職務認識には有意な差異は見られなかったが,それぞれのコホートの特徴については,ある程度示すことができた。 これらの結果をふまえて,現在は,1)教員イメージおよび学習観に関する認識,2)職務上の葛藤・困難認識や問題解決手法,3)問題解決リソース水準と活用・転用可能スキルなど職務スキル,の3点について小学校教諭を対象に行った質的調査を行っている。また,別記の通り論文,学会発表を行い,Web上でも公開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究代表者および質的調査対象者の日程調整のミスマッチによって,当初予定していた計画通りに質的調査を実施することができず,調査計画全体の日程変更があったため。
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今後の研究の推進方策 |
2015年8月下旬頃までに質的調査を完了,10月頃までに分析を終える見通しである。 2016年1月頃までには成果報告集を作成すると同時に,心理学系学会論文を投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度の数量調査の進捗が遅れていたこと,本研究代表者および質的調査協力者の繁忙によって,面接調査日程を当初計画より後ろ倒しにしたため,年度内経費執行の必要がなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
分担者の変更にともない,新たな分担者が本研究に占有できるPC機器などの購入,質的調査のための旅費・謝金などを予定している。
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