本研究は、乳幼児期の心的表象の発達を支える言語の役割機能を検証するために、①幼児心的状態語データベースの構築②養育者の社会的コミュニケーションスタイルと心的状態語の使用の検討③心的状態語を用いたコミュニケーション・トレーニングの他者の心の理解発達への効果の検討を行なった。獲得される心的状態語の種類は2から3歳にかけて大きく増加すること,養育者がよく使用している心的状態語の多くは6歳までに獲得されること,これらの使用は表情変化の敏感性と関連があること,他者の心の理解には心的状態語を用いたコミュニケーション・トレーニングが4歳から5歳の時期に効果的であることが明らかになった。
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