「ワーキングメモリ」は,短時間に頭の中で情報を保持・操作する能力を指し,私たちの日常生活を支えている。本研究プロジェクトは,職業教育に重点を置いた教育課程を編成している高等支援学校と連携し,生徒のワーキングメモリの特性を踏まえた学習支援ならびに職業訓練支援を支えることを目的とするものである。 平成27年度は,対象学年が3年目を迎える。それに伴い,就労に向けた長期実習が加わり,授業実践ならびに実習時の振り返り時の「キャリアカウンセリング」は,より就労と結びついた内容になる。本年度は,昨年度の振り返りを行ったうえで,キャリアカウンセリングを全学年の取組として実施し,実践内容の分析を自己理解の深化の観点から行った。また,授業実践における支援事例をこれまで構築してきた「ユニバーサルデザイン」に加えた。最後,1年次から3年次にかけて蓄積してきた個人のポートフォリオをまとめ,卒業後にも活用できる「サポートブック」を作成した。
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