研究課題/領域番号 |
24530847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡崎女子短期大学 |
研究代表者 |
小原 倫子 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (10450032)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 情動認知発達 / 母子相互作用 / 臨床的応用 |
研究概要 |
本研究は、養育者による「子どもの情動状態を読み取る能力(養育者による子どもの情動認知と認知する際に使用する手がかり)」のメカニズムと発達プロセスを社会的情報処理的観点からモデル化し、さらにこれらのモデルを臨床的に応用して、子どもの意図や情動がわからないために育児不適応を生じている養育者に対して、適応的な関わり方を体験的にトレーニングするためのプログラムを開発することを目的としている。平成24年度の中心的な活動は ①養育者による「子どもの情動状態を読み取る能力」のメカニズムと発達プロセスをモデル化するために必要である、養育者による情動認知を分類するためのカテゴリーと、認知する際に使用する手がかりを分類するためのカテゴリーを作成し、論文としてまとめ公刊した(岡崎女子短期大学紀要)。 ②養育者による子どもの情動認知と認知する際に使用する手がかりの関連の変化を分析・検証し、いくつかのパターンによるモデル化を作成中である。この検証の途中経過をまとめ、学会で口頭発表を行った(日本心理学会)。 ③実際の母子の相互作用場面の行動と養育者による子どもの情動状態を読み取る能力との関連を検証するために、母子の相互作用場面のVTRデータの分析方法を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度の達成度は、20%程度である。 現在、本研究の目的の1つである養育者による「子どもの情動状態を読み取る能力」のメカニズムと発達プロセスをモデル化するために必要な、カテゴリーの作成と論文の公刊を終えている。しかしながら、養育者による子どもの情動認知と認知する際に使用する手がかりの関連の変化のモデル化はこれからである。さらに、その基礎的知見を臨床的に応用するためのデータ収集と応用実践も今後の課題である。達成度がやや遅れている理由としては、本研究の拠点となる大学付属施設「親と子どもの発達センター」の開設準備に仕事時間を多く必要としたため、本研究に対して、当初予定していたエフォートの20%が確保できなかったことが挙げられる。25年度からは「親と子どもの発達センター」を研究拠点として、育児不適応を生じている養育者に対して、適応的な関わり方を体験的にトレーニングするためのプログラム開発に取り組んでいきたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の中心的活動は ①養育者による子どもの情動認知と認知する際に使用する手がかりの関連の変化を分析・検証し、いくつかのパターンによるモデル化を作成し国際学会で発表予定である。(The13 European Congress of Psychology において、Poster Presentation予定) ②実際の母子の相互作用場面の行動と、養育者による子どもの情動状態を読み取る能力との関連を検証するために、行動コーディングシステムPTS-113を使用した分析を行う予定である。また、そのデータを用いて、実際の母子の相互作用場面の行動と養育者による子どもの情動状態を読み取る能力との関連を検証し、論文としてまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
The13 European Congress of Psychology Poster Presentation参加費用 行動コーディングシステムPTS-113を使用した分析補助者への謝礼
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