本研究は、養育者による「子どもの情動状態を読み取る能力(養育者による子どもの情動認知と認知する際に使用する手がかり)」のメカニズムと発達プロセスを社会的情報処理的観点からモデル化し、さらにこれらのモデルを臨床的に応用して、子どもの意図や情動がわからないために育児不適応を生じている養育者に対して、適応的な関わり方を体験的にトレーニングするためのプログラムを開発することを目的としている。平成27年度の中心的な活動は①The 14th European congress of Psychology Poster Presentationにおいて、養育経験による、養育者の情動認知の変化と、認知する際に使用する手がかりの発達的変化のプロセスについて発表を行った。②The 17th European Conference on Development Psychology Poster Presentationにおいて、1つは養育者の情動認知に影響を及ぼす要因について、SEMを活用した分析によりモデル化を行いその結果について発表を行った。③上記の結果に基づいて、養育者の情動認知の適応的な変化を促すトレーニングシステムについて検証を行っている。
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