本研究の目的は、養育者による”子どもの情動状態を読み取る能力”(養育者による子どもの情動認知と使用する手がかり)のメカニズムと発達プロセスをモデル化し、臨床的に応用して、子どもの情動がわからず育児不適応を生じている養育者の適応的な子どもへの関わり方を体験的にトレーニングする情動認知発達プログラムの開発である。その結果、養育者が読み取る情動及び手がかりの数と情動知能が育児困難感と関連するモデルが示された。更に養育者は乳児の表情等に焦点化された情報だけでなく、母親の内的表象(育児信念等)も利用して情動を認知している可能性が示唆された。これらの結果を応用したトレーニングプログラムを現在検証中である。
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