研究課題/領域番号 |
24530851
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
佐藤 静 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (60323127)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 臨床心理学 / 地域支援 / 心理教育 |
研究概要 |
東日本大震災後の心の支援を促進するために、地域における市民協働の心の支援体制(心のセーフティネット)の構築と、わかりやすい心の支援の方法に関する心理教育プログラムの開発を柱とするグランドデザインを策定した。 心理教育プログラムの内容の検討を行うために、市民ボランティアに対する心理教育を行っている仙台いのちの電話と福岡いのちの電話に聞き取り調査を行った。学生ボランティアによる震災支援を行っている神戸学院大学に心理教育の内容に関する聞き取り調査を行った。また日本心理学会第76回大会と日本心理臨床学会第31回大会に参加して、東日本大震災における心の支援の取組の実態・状況に関する情報収集及び関係者との意見交換を行った。 心理教育プログラムの内容の検討及び実践と成果調査のために、公開講座や研修会の機会を活用して心の支援に関する心理教育を実践して、内容理解や評価に関する質問紙調査を行った。仙台いのちの電話と宮城県東部保健福祉事務所(宮城県石巻保健所)が共催した「被災地で支援する人のための聴く力を高めるカウンセリング連続講座」に講師として参加して、心理教育の実践と内容に関する理解や評価に関する調査を行うとともに、企画内容に関する聞き取り調査を行った。さらに東日本大震災における仙台市教育局の取組について調査した。研究調査にあたっては仙台いのちの電話と仙台市教育委員会の連携協力をいただいた。 本研究の中間成果については、日本ヘルスプロモーション学会第10回学術大会(平成24年12月7日)のシンポジウムで発表した。さらに宮城教育大学紀要第47巻に論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画したとおり、心の支援体制に関するグランド・デザインを策定し、それを基盤とした心理教育プログラムの開発研究に取り組んでいるところである。東日本大震災で大きな被害を受けた被災地・石巻における心理教育の実践を試みることができたことは大きな成果であったと考えている。連携機関との協力関係も順調であり、次年度以降の研究活動に活かすことができると期待している。
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今後の研究の推進方策 |
予定どおり、初年度の調査活動で得られた調査データの分析を行うとともに、心理教育プログラムの内容の検討を進める。初年度に引き続き、公開講座等の機会を活用して心のセーフティネット構築に向けた心理教育の実践と調査を行うとともに、関連学会に参加して震災における心の支援に関する情報収集と研究者との意見交換を行う。心理教育を実践している機関への訪問調査も引き続き行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査データの分析を行うためのパソコン用の統計解析ソフトを購入する。情報収集や調査のための旅費、及びデータ入力や資料整理等のための人件費・謝礼について使用する予定である。その他、プリンター・カートリッジや記録用媒体等の研究に必要な物品を購入する予定である。
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