平成26年度(最終年度)においては、前年度から引き続いて心理教育プログラムの試行的実施及び効果の検討を行うとともに、研究成果の一部として教材1「災害と心の支援-みんなで心を支えあうために」及び教材2「災害後の生活と心のセーフティネット」を制作した。これらの教材はいずれも心理教育に活用するとともに、研究成果を社会に還元するために制作したものである。教材1は災害時の心の危機や心のケアについて一般向けにわかりやすく解説したパンフレットである。教材2はITメディアを用いた学校教育等の場面で活用することを想定したWEB版である。教材1については平成27年3月14~18日に仙台市で開催された国連防災世界会議において、宮城教育大学(教育復興支援センター)の災害支援活動の取組の一環として紹介した。 研究成果の発表実績は次のとおりである。①日本比較文化学会第36回全国大会シンポジウム「明るい未来社会構築のための比較文化的基礎研究に向けて」(平成26年6月14日、北九州国際会議場)において「災害支援とコミュニケーション-心の支援とコミュニティーの再生・回復をめぐって-」の題目で発表した。(『比較文化研究』№114に掲載)。②日本心理臨床学会第33回大会(平成26年8月23~26日、パシフィコ横浜)において「東日本大震災における市民協働による心の支援体制の検討-グランドデザインと心理教育をめぐって」の題目で発表した。 最後に三年間の研究のまとめとして『研究成果報告書-東日本大震災における市民協働による心の支援体制の構築に関する実践的研究』を作成した。
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