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2012 年度 実施状況報告書

被虐待児童の里親養育に関する臨床心理学的実践研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530853
研究種目

基盤研究(C)

研究機関埼玉大学

研究代表者

堀田 香織  埼玉大学, 教育学部, 教授 (10251430)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード里親養育
研究概要

本研究は、被虐待児童である里子を養育する里親家庭を支援しながら、里子の心理的成長・回復過程と、里子・里親の関係性の形成をモデル化するものである。特に、里母だけではなく、里父のもつ機能を含めて、家族システム全体にも焦点を当てる。また、問題行動が表面化し里親が対処に困りやすい、学齢期から思春期の里子とその里母・里父を対象とする。同時に、児童相談所との連携のもとに、大学から臨床心理士が家庭訪問面接を行い、並行して院生・学生を派遣するというサポートシステムの構築をあわせて目指すものである。
平成24年度は、学内の倫理委員会の承認も得て、平成23年度まで支援活動として行っていた里親家庭への学生派遣を、実践研究活動として立ち上げた。実践研究とするにあたっての倫理的観点から、研究等の対象となる個人の人権擁護のために、里子・里親の人権擁護を最優先に考えること、研究実施中いつでも中断できること、論文として発表することについて、文書で同意を得ること、発表の際は、個人が特定されるような情報を公表することなく、個人の守秘義務を守ること、研究実施中に心理的な問題などが起きた場合、臨床心理学的にケア・支援することを最優先に考えること等を確認し、研究同意書・申込書などを整備した。
平成24年は、被虐待児童である里子ひとりを養育する里親宅1家庭、および里子6人を養育するグループホーム1ホームに、院生・学生を派遣するなどの支援をすることが決まった。また平成23年度まで継続していた里子支援の中で、実母宅に戻った子どものその後の支援も行うことに決まった。
いずれも臨床心理士である研究代表者が第1回目の訪問面接を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度は、文献研究および、これまでの支援活動を、実践研究として立ち上げることに終始したので、その分析と考察は次年度以降に持ち越されることとなった。

今後の研究の推進方策

平成25年度は支援対象となる里親家庭をさらに増やし、里親家庭への家庭訪問面接・学生派遣サポート実践を行う。
具体的には、児童相談所(児相)との連携のもとに、被虐待児童である里子を養育する里親宅(10世帯)に、大学から研究代表者(臨床心理士)が家庭訪問を行い、院生・学生を派遣するなどの支援を継続する。また、学校で問題行動を起こしている里子については、学校とも連携をとると同時に、里子の養育について、里親に面接を行う。また、大学から院生・学生を派遣し、里子の治療的家庭教師、話し相手、あるいは遊び相手となる。
大学では毎週カンファレンスを開き、情報交換を行う。また、各学期に1回、児童相談所と大学で(必要に応じて学校も含めて)カンファレンスを開き、対応を検討する。
サポート終了後、里子および里親にサポートの有効性についてインタビューを行う。筆者の里母及び里父との面接過程、里子に関わる学生・院生のフィールドノーツ、およびカンファレンスの逐語録をデータとして、質的に分析を行い、里親家庭での関係性の変化、そこでの里母・里父の機能、および里子の成長を分析する。さらに、家庭訪問・学生派遣サポートの有効性について分析を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度
里親家庭、里親グループホームに派遣した学生がフィールドノーツを作成するために、謝金と旅費が必要となる。また研究代表者が里親への面接を行うため、旅費が必要となる。その他、関連する文献、および資料整理のための文房具など消耗品、PC関連消耗品が必要となる。
平成26年度
引き続き平成25年度の支出に加えて、報告書作成、論文の英文校正の費用が必要となる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 学生の家庭訪問による里親家庭支援:児童相談所と大学の連携の試み2012

    • 著者名/発表者名
      堀田香織
    • 雑誌名

      里親と子ども

      巻: vol.7 ページ: 115-121

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公開日: 2014-07-24  

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