研究課題/領域番号 |
24530859
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研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
宮下 敏恵 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (40308226)
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研究分担者 |
森 慶輔 足利工業大学, 工学部, 准教授 (90468611)
北島 正人 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30407910)
西村 昭徳 東京成徳大学, その他部局等, 准教授 (70439032)
奥村 太一 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90547035)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 教師 / バーンアウト / メンタルヘルス / 項目反応理論 / チェックテスト / ストレス |
研究実績の概要 |
教師用自己評価システムを作成するために,項目反応理論(IRT)にもとづく適応型のチェックテストの項目の選定を行った。様々な尺度を参考に,研究者メンバーで54項目を選んだ。この項目について公立小学校,中学校に勤務する教師835名に調査を行い,抑うつ尺度であるSDSと,精神疾患全般をスクリーニングするK6尺度もあわせて調査を行った。SDSとK6尺度との関連から,適応型チェックテスト用の項目として32項目を暫定版尺度として採用した。この32項目をもとに,項目反応理論に基づく自己評価システムを作成し,3県、約200名の先生方に運用を依頼し,効果を測定した。K6尺度では特に問題なしという点数であっても,チェックテストにおいては要注意となる点数が見られることも多く,学校現場にあわせたチェックテストを用いたことにより,早期発見できる可能性が示唆された。 また世界中で幅広く用いられているバーンアウト尺度のMBI-ES尺度を日本語に訳した。マスラックバーンアウト尺度の教師向け尺度である。アメリカのMind Garden社が版権を所有しているため,日本語版の翻訳申請を行い,許可を得て,MBI-ES尺度の日本語版として登録を行った。 上記の研究の結果としては,教師のバーンアウトの予防・介入の最初のステップとして,教師自らがバーンアウト状態を把握するための自己評価システムを開発したところが画期的である。web上でチェックを行うことが可能であること,個々の教師に応じた質問項目が選ばれるシステムであるため,チェックする項目数が少なくなることなどから,多忙を極める学校現場において簡便に行うことができ,さらには前回のチェックとの比較を行うことができ,すぐに結果のフィードバックがあることから,学校現場での利便性が高いシステムである。
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