研究課題/領域番号 |
24530860
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村上 千恵子 信州大学, 教育学部, 教授 (90326984)
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研究分担者 |
島田 英昭 信州大学, 教育学部, 准教授 (20467195)
鈴木 俊太郎 信州大学, 教育学部, 准教授 (10548233)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピー / 心理教育 / ストレスマネジメント / 教師教育 |
研究概要 |
本年度は、①文献研究を中心とした先行研究の情報収集・整理、②認知行動療法ならびにソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーの効果機序に関する基礎研究、以上2点を中心に研究を展開した。 ①においては、国内の先行研究を中心とし、心理学雑誌に掲載された論文を収集し、(1)教師の持つ特有な不合理信念を扱った研究、(2)認知行動療法を教師のストレスマネジメントに応用した研究、(3)ブリーフセラピーを教師のストレスマネジメントに応用した研究、以上3カテゴリーの研究動向を整理した。(1)に関しては、複数の事例から、教師特有の強い自責感や、高度な目標設定、全か無か思考が明らかになった。(2)、(3)に関しては、教師の抱えるストレスの現状を明らかにする研究、ストレスを抱えやすい教師のタイプを識別する研究などが多数みられる一方で、具体的な予防まで踏み込んだ研究というものは、事例を除きほぼ皆無であった。同時に、(3)の領域の研究はエビデンスに乏しいものが多く、効果機序についての言及がほとんど見られないという特徴もあった。 ②では、①の状況を踏まえ、ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーのエビデンスと効果のメカニズムを説明するための研究を実施した。ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーを実施した複数事例を収集し、質的研究法からその効果のメカニズムに関する仮説を構築し、同時にそれらの事例の事前・事後を比較することによる効果測定も行った。①で不足していた研究を補う形での研究実施となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、計画では先行研究の整理と並行して、認知行動療法、ソリューション・フォーカスト・ブリーフ・セラピーを応用したプログラム開発に着手する予定であった。研究計画としては、プログラム開発にいまだ至っていない分、多少の遅れが生じていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究を整理する途上で、基礎研究の必要性が生じたため、プログラム開発以前にエビデンスの確認、効果メカニズムの確認を優先させた。 次年度においては、予備的プログラム開発を早急に遂行し、その評価の時間を短縮しつつ、予定している本プログラム開発へとつなげることで、この遅れを取り戻す予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
・H24年度未使用額が生じた状況 本年度予定していた文献整理に引き続き、メタ分析を行う予定が、次年度に繰り越しとなったため、その分計画していた人件費、事務用品費等が持ち越されることとなった。 ・H25年度研究費の使用計画 H25年度は主として、①教師の不合理な信念のデータ収集のための人件費およびデータ解析のためのハード・ソフトウェア等分析機器の購入、②プログラム開発と評価のための事務用品費・交通費・通信費等研究経費、③研究成果発表のための経費、以上3項目を支出の柱と想定している。その中で、H24年度未使用額は①の人件費に上乗せして計上し、早急にH24年度の積み残し分を実施する予定でいる。他の支出については現段階では予定通りとして執行する。
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