研究課題/領域番号 |
24530860
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
村上 千恵子 信州大学, 教育学部, 教授 (90326984)
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研究分担者 |
島田 英昭 信州大学, 教育学部, 准教授 (20467195)
鈴木 俊太郎 信州大学, 教育学部, 准教授 (10548233)
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キーワード | 認知行動療法 / ソリューション・フォーカスト・アプローチ / ブリーフセラピー / 教師のストレスマネジメント / 予防的介入 / 心理教育 |
研究概要 |
本研究は、以下の3年計画での実施の予定である。 「1年目 課題A:事例研究のメタ分析による学校教員が典型的に持つ不合理な思考の特徴 課題B:CBTとSFAを応用したプログラムの開発」「2年目 課題C:プログラムの予備的評価と改良」「3年目 課題D:プログラムの最終評価 課題E:プログラムの実施マニュアルの作成」。平成25年度は、この計画のうち、課題B、課題Cを重点的に実施した。 CBTとSFAを援用した教育プログラムを作成し、その予備的な実施・評価を平成25年度前半に行った。教育学部所属の大学生(教職志望学生)を対象に、ワークシート方式のプログラム、小集団面接方式のプログラム、授業方式のプログラムなどを試行した。これらのプログラムはそれぞれ以下のような効果が検証された。 まず、①SFAを用いたワークシート方式のプログラムでは、教職志望学生の課題解決自己効力感の上昇が見られ、②SFAとCBTをベースとしたストレス・マネジメント授業プログラムでは、受講者の自己認知の改善のみならず、SSTの向上も見られる結果となった。これらの研究成果は、学会発表等ですでに一部公表されているが、現在、学会誌への論文掲載を目標として、執筆活動が続けられている。なお、プログラムは全てが効果測定されているわけでは無く、平成26年度も引き続き効果の検証と改良のための研究を行う必要がある。これに関しては、3年目の年度計画を多少修正しつつ、迅速に対応する予定でいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度と平成25年度の前期において、研究の基盤となる教師のストレスマネジメントに関するメタ分析、教職志望学生の不合理な信念の抽出作業はほぼ終了している。平成25年度後期では、認知行動療法とSolution-focused Approachのエッセンスを盛り込んだ認知変容プログラムを作成し、その効果測定研究を行う段階まで来ている。よって、このプログラムを原案として、より効率的なプログラムへの修正を図るという課題が残されているという状況である。以上を勘案し、ほぼ予定通りの研究進捗状況と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況は順調であるため、予定通り、最終年度はプログラムの確定作業と、誰にでも使用できるようなマニュアル作成、そして研究成果の公表に重点を置くこととする。研究代表者、分担研究者それぞれで研究推進、発表と役割を分担し、これを実施する。研究論文としてだけではなく、広く使えるプログラムということで、HP等も利用した広報も随時行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画したよりも、物品費、人件費等安価に研究が完了した部分があったため、次年度使用額が生じている。 効果測定研究を実施するための研究物品の購入(コピー用紙、トナー代、データ運搬用のUSBメモリ等)、研究成果発表のための費用(学会参加費、論文投稿にかかる費用等)などを中心に支出予定である。特に、次年度使用額は、研究成果発表のための費用として、広く方法を普及させるための公表手段にあわせて計上し、平成26年度請求額に加えて執行していく。
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