研究課題/領域番号 |
24530866
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平井 啓 大阪大学, 未来戦略機構, 准教授 (70294014)
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研究分担者 |
谷向 仁 大阪大学, 保健センター, 講師 (60432481)
佐々木 淳 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (00506305)
中村 菜々子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80350437)
山村 麻予 大阪大学, 未来戦略機構, 助教 (70745190)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メンタルヘルス / 行動学 / ストレス / 受療行動 / 精神科 / カウンセリング |
研究実績の概要 |
メンタルヘルスケアを実際に利用し、メンタルヘルスの問題の軽減させた利用者の特徴を明らかにするため、適格基準(精神・心理的不調で医療機関やカウンセリングを利用したことがある/20歳以上で大学生でない/精神・心理的不調を経験したのが初めて/精神・心理的不調を初めて治療・相談した)を満たし協力が得られた成人819名(男性416名,女性403名,平均43.34±12.89歳)に対して質的・量的な縦断調査を行った。調査の結果、①周囲の人による勧めが受診の契機となったこと、②受診の効果を実感した人は、メンタルヘルスサービスのイメージが肯定的に変化したこと、③早期受診者と受診遅延者の受診理由に違いがあったこと、④対象者自身が受療最適化に有効であると考えている具体的なメッセージの内容が明らかとなった。 この成果について、日本心理学会・日本認知行動療法学会において発表を行った。 さらに、これらの成果にもとづいて、メンタルヘルスケアの適切な受診勧奨を促すための情報提供Webサイトの開発を行った(「メンタルヘルスケア、活用すべき7つの理由」http://grappo.jp/mhc/)。このwebサイトは、前述の調査で得られた受診者の声を活かし、「心理的な問題を抱えていて、専門機関の受診を考えており、インターネットで、メンタルヘルスに関する情報を探している人」・「関心期(準備期になって、Webで情報を調べたが、怖くなって、関心期に戻ったような人)」・「精神科・心療内科・カウンセリングにいってみようかな、でも私がいくようなところではなさそうだから、行きにくいと感じている」などをターゲットと想定をし、①早期受診の勧め、②受診による恩恵、③受診行動のノーマライズという観点でそれぞれに対応するコンテンツを開発した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査研究の結果に基づきWebサイトの開発を行った。このWebサイトのコンテンツを確定させるのに想定より多くの時間がかかったため、年度内に実施する予定であったWebサイトのコンテンツ検証のための調査を実施することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度実施予定であった、メンタルヘルスケア受診勧奨のWebサイトのコンテンツ検証のための調査(インターネット調査)を、Webサイトのコンテンツの最終調整を行った後に実施、その内容の妥当性や改善点について実際の対象者からフィードバックを得て、より質の高いWebサイトを構築し、メンタルヘルスケア受療行動の適正化のための知見を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査対象を計画段階より拡充する必要が発生し、綿密な予備調査の上、本調査を実施したため、計画に遅れが生じた。また、計画期間中に研究者の異動および変更による業務内容の変更もあった。 さらにWebを使用したプログラムを開発した際、プロトタイプのユーザーテストを行う予定であったが、ウェブサイト開発に時間がかかり、プロトタイプのテスト調査を年度内に行うことができない見込みとなったため、未使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究計画に沿った形で、適切に使用する。
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