研究課題/領域番号 |
24530868
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河崎 佳子 (川畑 佳子) 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70234119)
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キーワード | 聴覚障害 / 軽・中等度難聴 / 人工内耳 / 心理発達 / 手話 |
研究概要 |
1.前年度に引き続き、全国各地のろう学校(聴覚支援学校)を訪問し、早期教育相談・幼稚部を中心に視察し、人工内耳装用に関する動向や教育指導方針についての聴き取り調査を実施した。また、保護者との交流の機会をもち、保護者からの聴き取りも行った。 2.前年度に引き続き、京都市内にある聴覚障害者福祉施設において、社会生活を営む上で対人関係を中心とする課題を抱える難聴成人を対象に実施されている「更生支援プログラム」の一環として、心理スタッフによるグループワークの運営に継続的にかかわってきた。グループワークの詳細な記録を基に、定期的なスタッフミーテイングを開いて、その内容を分析・検討し、難聴者の抱えやすい心理発達上の困難や課題を明らかにした。さらに、グループワーク(心理グループ)という場の提供が、彼らの心理的成長に果たす役割について検討し、その成果の一部を、日本心理臨床学会第33回大会で報告する予定である(若狭らとの連名発表)。 3.前年度に引き続き、対人関係に困難を抱える人工内耳装用児に対する総合的な支援(個別プレイセラプイ・家庭訪問支援・母親園説・学校やデイケアサービス機関との連携)を継続的に実施した。その経過を詳細に記録し、定期的に関係者会議を開いて分析・検討を重ねた。 4.日本ろうあ連盟、ならびに全国聾学校(聴覚支援学校)校長会の協力を得て、全国のろう学校を対象に、聾学校(聴覚支援学校)に通う児童生徒とその家族が抱える心理的課題を明らかにし、心理的支援スタッフ(スクールカウンセラー等)の導入や取組みの状況、今後への期待を明らかにする目的で、アンケート調査を実施し、その結果の整理・分析に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査協力が得られない聴覚障害児早期支援機関(病院を含む)が多いこと。 研究者の私事都合により、調査のための海外出張が予定通りに実施できないこと。
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今後の研究の推進方策 |
次年度当初に、アメリカ・NYにある複数のろう学校を視察し、人工内耳装用児とその家族に対する支援についての情報収集を実施する。 これまでの実践・調査から得られたデータを分析・考察し、難聴乳幼児・難聴児童の養育と教育に生かせる支援プログラムを構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度中に情報収集のための海外視察が実施できなかったため。 アンケート調査の実施が遅れ、データ分析のための研究補佐員の雇用が行われなかったため。 次年度当初に、情報収集を目的とする海外視察を予定している。 アンケート調査の回収が済み次第、研究補佐員を雇用し、データの分析を速やかに実施する。
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