研究課題/領域番号 |
24530875
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富岡 光直 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50380514)
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研究分担者 |
古川 智一 九州大学, 大学病院, 助教 (70617365)
久保 千春 九州大学, 大学病院, 教授 (80117100)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 不眠症 / 自律訓練法 |
研究概要 |
不眠症を対象とする臨床研究に該当するため、介入を行う機関における倫理委員会の資料を作成した。対象となる患者の適合基準と除外基準を詳細に規定し,その診断方法を提示した。患者への説明と同意の手続きを明確に規定し,プライバシーなど倫理的な問題へ厳密に対応するものとした。 対象となる不眠症患者に対して、確実性を期すため試験的に5名ほど自律訓練法による指導を実施した。標準的な自律訓練法を九州大学病院心療内科の外来で行っている集団自律訓練法にて指導を行った。本来の研究目的では、原発性不眠を対象とする予定であるが、この段階では厳密な診断は行わず、患者の主訴の1つに不眠症があるものが多かった。そうした患者では、標準的自律訓練法の指導にて有効な結果が主要な睡眠関連の指標(入眠潜時,睡眠時間など)において示された。ただし1,2例においては睡眠時間が十分には得られない場合があった。最近発表された研究では,標準的な自律訓練法(不眠症に特化した応用的工夫をしていない)において,主要な睡眠変数に効果があったという報告がなされているが,この場合は原発性不眠でなく,二次性の不眠症であったため,本研究で不眠症に特化した工夫が必要か検討する必要があった。 現在,不眠症患者における自律訓練法の効果について,脳機能画像によりその効果を示すため,患者の募集の準備を進めている。研究代表者の所属する九州大学病院では,不眠症が他の身体疾患あるいは精神疾患によらない原発性不眠の患者が集まりにくいため,福岡市内にある福岡浦添クリニック(日本睡眠学会認定医療機関)に依頼し,患者を募集する準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3年計画の1年目の内に,不眠症患者への自律訓練法指導を開始する予定であった。当該機関内での研究ではなく,福岡市内の他機関への患者提供の依頼をしていたことで若干研究計画に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
患者に自律訓練法を指導する前段階まで来ている。現在は患者のエントリーを待っている段階にあるので,予定通り,基準に適合する患者に対して説明を行い,研究への協力を呼びかけ,参加を依頼していく。 約半数の患者(10名)のデータ収集が終了した時点で,中間地点でのデータを解析を行い学会ににて発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,研究費支出予定のほとんどが,脳機能画像の撮影にかかる撮影費用,自律訓練法習得度合いを確認する検査費用(消耗品代)と患者への謝礼となっている。十分な参加人数を確保することで,研究費が予定通り使われることになる。 研究を分析,処理するために計算,分析ソフト等にも研究費を使用する。その後,学会等にて,研究を成果を発表する経費(旅費)も必要となる。
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