研究課題/領域番号 |
24530875
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富岡 光直 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50380514)
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研究分担者 |
古川 智一 九州大学, 大学病院, 助教 (70617365)
久保 千春 九州大学, 大学病院, 教授 (80117100)
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キーワード | 不眠症 / 自律訓練法 |
研究概要 |
不眠症を対象とする臨床研究に該当するため,介入を行う機関に於ける倫理委員会の承認を受けた。 対象となり得る不眠症患者に対して,自律訓練法の指導を実施した。指導は,日本自律訓練学会の指導マニュアルに沿って行われたが,不眠症患者に特有の問題点を克服するため,一部を強調した。それは訓練中睡眠に陥らないということである。睡眠に入ってしまうとは,それが日中の睡眠になってしまい,夜間の睡眠の質を損ねると考えられたためである。ここで強調したことは,指導法の修正というよりは,従来の方法を踏襲したに留まると考えられた。 このように指導した結果,参加した患者は良好な結果を示した。具体的には,睡眠潜時の短縮,睡眠時間の延長,睡眠効率の上昇,昼間の眠気の減退などである。 これらの結果は,自律訓練法の指導方法に関して,特別な修正なしに生起したことが特筆すべきことである。つまり,すでに自律訓練法の指導方法は日本自律訓練学会の主導により,その方法論が確立しており,同一の方法で指導することができる指導者を認定する制度が進んでいる。そのため多くの指導者が本研究で用いた方法を,患者に対して適応することが出来ることを示すものである。 今後は,さらに被験者を増やし,本研究での指導法の正当性をしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
3年計画の2年以内に,不眠症患者への自律訓練法を終了する予定であった。しかし本研究は,研究者の所属機関でなく,福岡市内の不眠症を専門とするクリニックで研究を依頼したことで,倫理委員会の承認,場所や時間的制限が生じた。そのため,目標とする指導者数に現在の所,達していない。
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今後の研究の推進方策 |
不眠症患者への自律訓練法の指導方法のプロトコルは完成しており,すでに指導が始まっている。今後はその方法を目標とする患者数に達するまで続けていく予定である。達成した段階で,データを解析して学会(日本心身医学会総会を予定)にて発表し,論文化していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
患者(被験者)に対する介入開始が遅れたため,介入に関する出費が遅れていることと,順調に研究が進んでいる場合に予定されていた,学会発表にかかる出費がまだなされていないことによる。 本年度中に,介入する被験者数が目標に達する予定であるため,介入にかかる諸費用の支出に当てられる予定である。また,学会発表,論文作成に支出される予定である。
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