本研究では,不眠症に対する自律訓練法(AT)の効果発現のメカニズムを脳機能画像により解明するための予備的検討を行った。すなわちATが原発性不眠症の治療において有効なのかどうか検討した。方法:被験者は原発性不眠症と考えられる2名であった。AT指導は,日本自律訓練学会のテキストに従った。セッションは週1回,全8回で行い,標準練習6公式を指導した。結果:2症例共に睡眠効率の上昇,ピッツバーグ睡眠質問票の得点の低下,不眠重症度の低下が示された。結論:ATは原発性不眠症の非薬物療法として有効な方法であった。本邦での標準的なATの指導法により,不眠症へのATの効果を検討することが可能である。
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