介護老人保健施設の協力を得て、健常群と認知症群の2群に対して、10回のライフレビュー面接を行った。事例の考察から次の4点が明らかとなった。(1)ライフレビュー面接10回法は、インテイク期、回顧活性期、休止期、回顧再活性期、収束期の5期を経て展開する。(2)ライフレビューの奏功機序モデルとして、①信頼関係の構築、②回顧の活性化、③視点の移動、④認知の再構成、⑤否定的観念と肯定的観念の相対的バランスの5段階を提起した。(3)回顧の主要テーマは、子育てや両親、祖父母、子ども時代、仕事、結婚、自身の死、外地での体験だった。(4)認知症群のライフレビューでは、想起は生じるが評価や綜合が見られない。
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