本研究は、更年期通過群(含非経験群)・経験中群・未経験群を対象に更年期をめぐる語りの分析を通して更年期に特有の心理状況を明らかにし、女性の健やかな生涯発達への心理支援を模索することを目的に実施した。3群の対象者35名に対し、個別にインタビュー及び心理検査を実施し分析を行った。その結果、更年期症状の内容や辛さ、対処法などは先行研究と合致していた。新たに「他者からの理解や共感の必要性」及び「他者とのつながりの重要性」という知見が得られた。さらには、更年期症状は、自覚的であるほど「いつもの自分と違う」葛藤をもたらし、心理的負担感を高めることがわかった。これらをもとに99頁からなる報告書を作成した。
|