研究課題/領域番号 |
24530883
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
中谷 敬明 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (60438083)
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研究分担者 |
佐藤 正恵 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (00211946)
山田 幸恵 岩手県立大学, 社会福祉学部, 講師 (30399480)
藤澤 美穂 岩手医科大学, 付属研究所, 非常勤講師 (60625838)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域援助 / 地域支援プログラム / 効果指標 / 効果判定 |
研究概要 |
平成24年度の計画では【研究1】震災後から実施している臨床心理学的地域援助の有効性の検討-精神的健康への効果-、【研究2】仮設住宅における臨床心理学的地域援助の有効性の検討-コミュニティ形成に及ぼす効果-、【研究3】被災後1年を過ぎた仮設住宅において必要とされる臨床心理学的援助の検討が実施予定であり、このうち【研究1】及び【研究2】の一部が実施できた。 【研究1】は、心理教育とリラクセーションをパッケージとしたプログラムを仮設住宅の集会所にて実施し、プログラム前後にthe stress response scale (SRS-18)を指標としてアンケートを実施して、対象者のストレス軽減の有効性について検討することを目的とした。研究2】は研究1の臨床心理学的地域援助プログラムの継続的な実施がコミュニティ形成に及ぼす効果を、異なる地域の仮設住宅住民へのアンケート調査と半構造化面接から検討することを目的とした。これらの研究は、仮設住宅の集会所等にて心理教育とリラクセーションを含む臨床心理学的地域援助プログラムを行い、心理的ストレス軽減効果があるのか、また、地域としての凝集性を高めるための仮設住宅住民同士の交流促進するプログラムの効果を検討するためのアクションリサーチであり、経験的な知見しか得られていない心理教育や地域援助プログラムの効果をエビデンスに基づいて検討する点で重要性が認められる。 【研究1】の結果は現在集計中である。また、【研究2】は2地区のうち1地区でアンケートが実施できたが、1地区で実施を延期し、次年度に改めて実施する見込となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
【研究1】震災後から実施している臨床心理学的地域援助の有効性の検討-精神的健康への効果-、【研究2】仮設住宅における臨床心理学的地域援助の有効性の検討-コミュニティ形成に及ぼす効果-、【研究3】被災後1年を過ぎた仮設住宅において必要とされる臨床心理学的援助の検討が実施予定であったが、【研究1】のみ完了した。 実施が遅れた理由は、被災地で複数のアンケート調査が短期間に実施され、対象仮設住民にアンケートに対する拒否感が生まれたためである。行政が実施する復興関連調査以外にも様々な(研究機関も含まれる)調査が実施されていた。我々が仮設住民との信頼関係を形成しているとはいえ、仮設住民の拒否感が我々の調査結果にも影響することを考え、時期をずらすこととした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、実施を延期した【研究2】仮設住宅における臨床心理学的地域援助の有効性の検討-コミュニティ形成に及ぼす効果-と【研究3】被災後1年を過ぎた仮設住宅において必要とされる臨床心理学的援助の検討を実施する。対象地域では仮設住宅から復興支援住宅への移転が一部始まっているところもある。【研究2】及び【研究3】には半構造化面接も予定しているため、アンケート調査とあわせた、仮設住民の動的な心理変化も検討できると推測している。 その結果を踏まえて、平成25年度計画の【研究3】臨床心理学的地域援助の評価指標およびコミュニティ全体の評価指標の開発に取り組む予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
延期したアンケート調査経費(調査票印刷、データ入力謝金、交通費、謝金) 研究発表旅費
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