研究課題/領域番号 |
24530883
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
中谷 敬明 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (60438083)
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研究分担者 |
佐藤 正恵 石巻専修大学, 人間学部, 教授 (00211946)
山田 幸恵 岩手県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30399480)
藤澤 美穂 岩手医科大学, 教養教育センター, 助教 (60625838)
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キーワード | 地域援助 / 地域支援プログラム / 効果指標 / 効果判定 |
研究概要 |
平成25年度から平成26年度にかけて、【研究3】臨床心理学的地域援助の評価指標およびコミュニティ全体の評価指標の開発、【研究4】災害後の臨床心理学的地域援助プログラムを開発とその有効性の検討を実施する計画である。また、昨年度計画で延期した【研究2】の一部調査を実施予定であった。【研究3】に関しては昨年度調査対象の1年後の調査を実施した。最終年度における評価指標の確認と開発へと続ける予定である。本調査は、【研究2】の調査項目(SRS-18(鈴木他、1998)、情緒的支援ネットワーク認知尺度(宗像他、2000)に加え、日常生活での人間関係や外出頻度を確認する項目)に集会所機能に関する項目を追加して、仮設住民411名を対象に実施した。本研究は、大規模災害後の臨床心理学的地域支援の有無と時間経過が仮設住民の心理面に与える影響を確認できる点で重要な意義を持っているといえる。また、昨年度調査の結果は第33回日本社会精神医学会(2013.3.20-21.東京都)にて報告した。 昨年度実施予定であった【研究2】の一部調査について関連機関とも相談して再検討した結果、アンケートに対する住民感情に変化ないため実施を断念することとした。ただし、【研究3】にて予定している仮設住民へのインタビューの質問項目に【研究2】の内容を含める方向で現在検討を進めている。今回の調査方法の変更が求められたことは、アンケート調査の多用がその要因のひとつである。被災後の住民意思の確認は行政・研究等さまざまな領域にて必要とされているが、アンケート実施自体が住民の心理面に多くの影響を与えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在【研究3】の一部まで実施できている。研究計画では【研究3】から【研究4】は平成25年度から平成26年度にかけて実施することとしており、ほぼ計画通りの進行となった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、【研究3】被災後1年を過ぎた仮設住宅において必要とされる臨床心理学的援助の検討のうち、予定している半構造化面接を実施する。アンケート調査とあわせて、仮設住民の動的な心理変化も検討する。その結果を踏まえて、臨床心理学的地域援助の評価指標およびコミュニティ全体の評価指標を検討し、【研究4】災害後の臨床心理学的地域援助プログラムを開発とその有効性の検討をまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者の1名が昨年度に特別休暇(産前産後・育児休暇)を取得し、予算執行できなかったため。 【研究3】に係る半構造面接経費(旅費・記録媒体・事務費)および学会発表(旅費・参加費)にて執行予定。
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