研究課題/領域番号 |
24530887
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研究機関 | 宇都宮共和大学 |
研究代表者 |
加藤 邦子 宇都宮共和大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40617784)
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研究分担者 |
間野 百子 小田原短期大学, その他部局等, 教授 (10405095) [辞退]
牧野 カツコ 宇都宮共和大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70008035)
井上 清美 川口短期大学, その他部局等, 准教授 (30517305)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 世代間関係 / 親族 / 非親族 / コミットメント / 乳幼児 / 親子関係 |
研究実績の概要 |
平成25年度に子育て支援施設を利用する未就学児を育てる親約1300名を対象とした世代間関係の構築に関し、肯定的感情を示す『コミットメント(Rusbult, 1983)』概念を用いて調査を実施した。平成26年度の研究実績は、配偶者以外で育児を助けてくれる「親族あるいは非親族」との関係を明らかにしたことである.支援者との関係を良好に築くことが,調査対象者と子どもとの親子関係によい影響を及ぼすという仮説的プロセスを実証的に検討することができた. 研究成果は,(1)母親は、育児を助けてくれる人との関係について,「最も手助けしてくれる人」が親族とした場合に,自分の親世代が該当することが明らかになったが,関係を肯定的に捉える反面,関係によって抱える困難も高くなることから、関係の両価的側面が明らかになった.一方最も手助けしてくれる人が非親族の場合は,同世代による援助が多かった.関係により抱える困難は小さいが,親族の場合よりも親子関係への肯定的感情が低まる傾向がみられた. (2)最も手助けしてくれる人が親族の場合には,その人へのコミットメントが高いほど,育児に関して友人とコミュニケーションをとる頻度が増え,その結果,子育て支援施設で気軽に相談できる人へのコミットメントが高まり,それが子どもへのコミットメントを高めるため,円滑な親子関係につながるというプロセスが検証された.一方非親族の場合は,その人との関係へのコミットメントが高くなると,育児に関する友人とのコミュニケーション頻度は高まるものの,親族の場合のような親子関係を円滑化させるプロセスは確認されなかった. したがって、親族からの育児支援が得られない母親にとって,子育て支援施設ではより積極的に世代間関係が構築できるようなしかけや活動内容が求められており,親子関係を支援する必要があると推察された.
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