本研究では、成人のボランティアによる施設入所児への抱っこなどのふれあいの介入を継続することで、児とのアタッチメントの形成過程を検討した。まず入所児を介入群(9名)と非介入群(14名)とし、介入群の児には毎週1回同一の成人によるふれあいの介入を3か月間継続し、非介入群の児は通常通りの生活を3か月間継続してもらった。1か月ごとに児の額部体表温度を測定し、職員によって各児の問題行動について評定を行った。実験の結果、3ヶ月後には介入によりスタッフに抱っこされた児の体表温の僅かな上昇が確認され、成人との安定した信頼関係が築かれたことがわかった。また問題行動も顕著に軽減した。
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