認知行動療法をより日本に適したものにすることを目指して研究を行い、以下のような結果を得た。 1.大学生を対象として、他者や自己の心的状態に関する認知を探索的に検討した。その結果、「他者の尊重」という因子が見出され、これと社会不安との間に関連が認められた。また「自己への好意」という因子は、社会不安、そして抑うつとの関係することが示唆された。2.他者への配慮を行う理由や、その方法について、大学生を対象に検討を行った。その結果、相手から嫌われたくない、という自己防衛的な理由から相手に気をつかったり、相手に話を合わせて対立を避けるというやり方が、社会不安と関係することが示唆された。
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