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2012 年度 実施状況報告書

女子学生の食行動異常予防に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530892
研究種目

基盤研究(C)

研究機関産業能率大学

研究代表者

山蔦 圭輔  産業能率大学, 情報マネジメント学部, 准教授 (80440361)

研究分担者 笹川 智子  目白大学, 人間学部, 講師 (20454077)
佐藤 寛  関西大学, 社会学部, 准教授 (50581170)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード食行動異常 / 摂食障害 / 予防 / 心理尺度開発
研究概要

近年,思春期・青年期の女性を中心に,食行動異常を呈する者が増加し,特に,大学や専門学校などの学校精神保健の場において,食行動異常に対する予防的支援を実施することが急務となっている。
以上から,本研究課題では,(1)女子学生に特有な食行動異常の形態を整理し,測定する心理尺度を開発すること,(2)対人関係場面における他者評価の認知を変数とした心理的メカニズムを策定すること,(3)予防に有効な情報を提供するシステムを構築し検証することをそれぞれ各年度課題として,研究を遂行し,特に,平成24年度は,課題の(1)を目的に,研究を遂行した。
平成24年度の研究では,食行動異常の形態について,それを測定する項目を策定し,調査を実施した。ここでは,臨床心理学を専門とする専門家によって立案された各測定項目を整理し,学校教育場面で利用可能な尺度項目を考案した。また,本尺度項目および既存の尺度項目(既存の尺度項目は,新しく開発する尺度の妥当性を検討することを目的に調査項目として採用している。)を使用した調査を実施した。なお調査は平成25年度も継続して実施することを予定している。
平成24年度における尺度開発研究は,平成25年度以降に実施する予定である心理的メカニズムの策定および平成26年度に実施する予定である実証的研究(食行動異常予防を目的とした情報提供システムの構築)で,使用する重要なツールとなるものであり,平成24年度で精査した尺度項目は臨床上有意義な検査ツールとなりえることが期待できる。なお,平成25年度では,早急に調査を終了させ,開発尺度の信頼性・妥当性を検証することが目的となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成24年度には,食行動異常を精査する質問紙項目を立案し大規模調査の一部を実施し,尺度の信頼性・妥当性を確認し,心理尺度を開発することが当初の課題であった。こうした中,新たに女子学生(大学生・専門学校生)を対象とした食行動異常を測定する尺度を開発する過程で,女子学生にインタビュー調査を実施し,かつ摂食障害をはじめとした食行動の問題を専門とする臨床心理学の専門家による項目の評価を実施することを目的とした。
以上の心理尺度項目の精査を進める中,当初予定した期間よりも,より長く精査する時間の確保が必要であり,平成24年度に予定していた調査実施時期が当初の予定より遅れ,現時点で調査目標数に達していない。
以上から,達成度は「やや遅れている」ものと判断せざるを得ない。一方で,より信頼性が高く妥当な尺度を開発することは,今後の研究および臨床現場に重要な知見を提供するものであり,かつ,調査終了の目処がついていることから,平成25年度の研究に大きく影響する遅れではないといえ,平成25年度調査終了後には,当初の研究計画通りに研究を遂行できることを見込んでいる。

今後の研究の推進方策

今後は,平成24年度に課題であった調査の実施を進め,平成25年度のなるべく早い時期に調査を終了し,各種統計的な処理を行い,食行動異常を測定する心理尺度の開発を終える。また,当初予定であった課題(2)対人関係場面における他者評価の認知を変数とした心理的メカニズムを策定することを実施するために,新たに既存尺度とのテストバッテリーを組み,大規模調査を実施し,食行動異常の発現・維持に係る心理的メカニズムを策定する。
平成25年度は,大学および専門学校の夏季休暇中までに,平成24年度で実施を終えるに至らなかった調査を終了させ,後期(もしくは秋学期)開講以降12月末日までに,上記(2)を遂行する過程で必要な調査を実施し,平成25年度中に,解析を終えることを目標とする。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は,心理尺度開発に係る調査および心理的メカニズムを策定することに係る調査を実施する。そのため,調査を実施する際に必要になる調査用紙の印刷代や用紙代,また,調査対象者への謝礼などを計上する。
さらに,調査データ入力後,解析し次第,学会発表や学会誌投稿などを予定している。ここでは,専門業者へデータ入力を依頼するとともに解析用ソフトウェア(SPSS,Amos)が必要となるため,それぞれ計上する。加えて,学会発表時(国内および国際学会)の出張宿泊費を要し,また,英文校正代などを要する。
以上,研究を遂行する上で必要最低限の支出である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Prevention of anxiety symptoms in children: Results from a universal2012

    • 著者名/発表者名
      Essau, C. A., Conradt, J., Sasagawa, S., & Ollendick, T. H.
    • 雑誌名

      Behavior Therapy

      巻: 43 ページ: 450-464

    • 査読あり
  • [学会発表] 関西と関東の女子大学生における食行動異常とその心理学的背景の比較2012

    • 著者名/発表者名
      井上美沙・高岡しの・佐藤 寛
    • 学会等名
      日本認知療法学会
    • 発表場所
      東京ビックサイト
    • 年月日
      20121123-20121124
  • [学会発表] 臨床尺度の心理計量学的検討—項目反応理論を用いた検討—2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤寛・脇田貴文・笹川智子・的場元気・樽口美久・張テイ・濱田大佐・山崎晶裕
    • 学会等名
      日本心理学会大会
    • 発表場所
      専修大学
    • 年月日
      20120911-20120913
  • [学会発表] 学生のメンタルヘルス 現在・そしてこれからの健康心理学教育を考える2012

    • 著者名/発表者名
      山蔦圭輔・佐藤寛・伊藤拓・杉山崇
    • 学会等名
      日本健康心理学会
    • 発表場所
      東京家政大学(東京)
    • 年月日
      20120901-20120902
  • [学会発表] The association among eating behavior, the desire to be slim, and self-consciousness in Japanese female students2012

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Yamatsuta & Shinobu Nomura
    • 学会等名
      International Behavioral Medicine
    • 発表場所
      Budapest, Hungary
    • 年月日
      20120829-20120901

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公開日: 2014-07-24  

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