研究課題/領域番号 |
24530894
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
今村 友木子 金城学院大学, 人間科学部, 准教授 (80342111)
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研究分担者 |
加藤 大樹 金城学院大学, 人間科学部, 准教授 (00509573)
二村 彩 金城学院大学, 人間科学部, 講師 (20610116)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コラージュ療法 / 材料 |
研究実績の概要 |
本研究における最も重要な目的であるツール開発は、試作版を元に修整をし、「コラージュ療法基本材料シート集」として完成した。 個々の写真の大きさや配置などの全体的調整、「遊び」や「ネガティブな感情表出」を刺激する材料の追加、無地カラー用紙の再検討などの点について修整された。総アイテム数は写真とイラストをあわせ215点となった。無地カラー用紙は3枚用意されることとなった。 修整された材料集を200部印刷し,臨床心理士の研修会におけるコラージュ制作と臨床場面において使用した。これらの制作と制作後の振り返りにおいて,自由材料と同様に内面を表現しうることが確認された。一方で,試作版における振り返りの際に「写真の色調の暗さ」が指摘されていたが修整されておらず,今回の臨床心理士よる制作の際にも,同様の指摘が見られた。そこで,特に修整が必要と思われた写真9点について色調補正を行い,「コラージュ療法基本材料シート集」の完成とした。 「コラージュ療法基本材料シート集」は研修などの集団場面やクリニック等の臨床場面で使用され、現実的に使用可能な材料集であることが確認された。 研究代表者は、日本コラージュ療法第6回大会シンポジウムにおいて、この開発の経緯について発表し、その意義と役割について検討をおこなった。また開発の経緯と今後の活用に関する検討については、金城学院大学論集に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主要な目的である「コラージュ療法基本材料シート集」の開発は完了し、発表することができたため、一応の進展をみたといえる。しかしながら、本ツールのプレゼンテーションや活用についての検討はまだ十分とはいえない。当初より計画を1年延長し、残る課題に取り組みたい。
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今後の研究の推進方策 |
心理臨床家や研究者による「コラージュ療法基本材料シート集」の使用体験の機会を設け、活用についての検討を深めたい。また臨床場面における活用事例の発表を行い、本材料集の臨床場面の活用可能性について、理解を広げたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度の半ばに,研究課題である「コラージュ療法基本材料シート集」の完成に至ることはできたが,年度後半に完成後の発表機会が十分ではなかったため,発表に見込まれる経費を十分に活用していない。またその使用のあり方についての検討も,臨床家や研究者への当材料集の配布が行きわたっておらず,十分になされていない。これらの検討にかかる経費も26年度未使用額として残ることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度においては,本材料集の完成とその活用に関する発表をおこない,多くの臨床家や研究者に本材料集について知ってもらう機会とする。また,多くの研究者とともにこの材料集の適切な使用のあり方について検討するため,材料集を印刷する。
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