最終年度は、昨年度行った生理学的なデータを学会にて発表し、論文としてまとめることが目的であった。マインドフルネスアートセラピーの「マインドフルネス」に用いた動作についての内容は日本健康心理学会第27回大会において発表した。がん患者を対象としたマインドフルネスアートセラピー前後の自律神経および気分の変化については、第28回日本サイコオンコロジー学会で発表した。この結果は、Journal of Cancer Therapyに掲載された。健康な成人を対象とした調査の結果は、日本健康心理学会第28回大会において発表し、Healthという雑誌に掲載された。がん患者のアート作品とスピリチュアリティの関係について見当した結果は、香港で開催されたInternational Behavioral Helath Conferenceにて"Development Mindfulness Art Therapy Short version program and patients' arts for cancer patients in Japan" というテーマで発表した。がん患者と健康な成人を対象とした調査から、活力がある元気な対象にはより活力を活性化する働きがあり、活力が低下している対象には、リラックスする効果があることが示唆された。 さらに事例検討として、がん患者と10回に渡る面接において患者を支援した経過については、日本芸術療法学会において発表し、その成果は「芸術療法研究」に受理され、掲載される予定である。アートセラピーを用いることで、患者が体験している深い内面を芸術によって表現することによって、患者の心理的支援に繋がることが示唆された。
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