研究課題
本研究は,精神病の認知行動療法(CBT for Psychosis:CBTp)を本邦の精神科臨床現場に普及するための支援として、患者と参照しながら取り組むことのできるCBTpワークブックを開発し、その厚科検討を行うことを目的としている。3年目の平成26年度は、【研究1】測定尺度として用いる精神症状評価尺度日本版Psychotic Symtoms Rating Scales-J(PSYRATS-J)日本語版の信頼性・妥当性の検討を行い、【研究2】幻聴ワークブックの試行を開始した。【研究1】作成したPSYRATS-J評価用ビデオを用いて行った評価者訓練を受講した者10名に、PSYRATS評価面接の準逐語録4例を評価してもらい、級内相関係数を求めたところ、充分な高さの評価者間信頼性が認められた(ICC>0.8)。また、PSYRATS評価者とは独立の評価者が評価したPANSS評価との相関を求めたところ、陽性症状尺度との間に有意な相関が認められた。幻聴苦痛度と、抑うつ尺度(Beck Depression InventoryⅡ)との間にも有意な相関が認められた。【研究2】陽性症状の認知行動療法によって幻聴苦痛度が改善するために有効な要素を検討し、幻聴ワークブックを改訂した。この幻聴ワークブックを、同意の得られた統合失調症患者に試行を開始した。
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Psychiatry Clin Neurosci
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