研究課題
目的:本年度は、平成23年に実施した80歳コホートの3年後の追跡調査を実施した。これに昨年度実施した70歳コホートの追跡データも加え、①前期高齢者、後期高齢者における老年的超越の3年間の縦断変化、②ベースライン時の身体機能、生活機能と3年間の老年的超越の変化量との関係を検討し、老年的超越の縦断的変化に身体的問題が影響するかを検討した。方法:参加者はSONIC研究のベースライン調査と追跡調査の両方に参加した者、1251名(男614名,女637名)であった。老年的超越は、日本版老年的超越質問紙改訂版(増井ら,2013)により測定した。ベースライン時の運動機能については、SPPB(Short Physical Performance Battery: Guralnik et al. 1994)を用い、立ち上がり、2.44m歩行速度、バランスの測定を行った。結果:老年的超越質問紙の下位尺度ごとに調査時期、性別、年齢群を独立変数とする反復要因のある分散分析い、「社会的自己からの脱却」と「無為自然」は3年間で有意な得点の上昇があった。 「二元論からの脱却」は70歳群男女と80歳群男性で上昇がみられた。一方,「内向性」、「ありがたさ・おかげの認識」、「基本的肯定感」、では一部の群で低下も見られた。次に、年齢群別に、性別と教育年数を統制変数として、追跡調査とベースライン調査時の各下位尺度の得点差とSPPBの各下位課題のスコアとの偏相関係数を求めた。その結果、ベースライン時に運動機能が低いと、70歳群で「ありがたさ・おかげの認識」、80歳群で「社会的自己からの脱却」、「無為自然」が、より上昇することが示された。一方、ベースライン時の手段的自立機能が高いと、70歳群で「ありがたさ・おかげの認識」、80歳群で「内向性」、「基本的な肯定感」が、より上昇することが示された。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Journal of dentistry
巻: 43 ページ: 342-349
10.1111
平成24年度ジェロントロジー研究報告
巻: 11 ページ: 37-47
Journal of Dentistry.
巻: 42 ページ: 556-564
10.1016
Journal Oral Rehabilitation.
巻: 41 ページ: 912-919
http://www.tmghig.jp/J_TMIG/kenkyu/keizoku/sonic.html