• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

思春期喫煙が成熟後の認知機能に及ぼす影響:動物モデルによる検討

研究課題

研究課題/領域番号 24530914
研究機関浜松医科大学

研究代表者

中原 大一郎  浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (80128389)

研究分担者 末永 叔子  東京福祉大学, 心理学部, 講師 (80431667)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード思春期 / マウス / ニコチン / 認知機能 / 注意機能 / 衝動性
研究実績の概要

動物モデルを用いて、思春期および成体期のニコチン投与が認知機能にいかなる影響を及ぼすかを検討した。被験動物にはC57BL/6Jマウスを用いた。34日齢(思春期投与群)または54日齢(成体期投与群)から毎日10日間、0.4mg/kgのニコチンを一日3回皮下投与し、最終投与の5週間後から約4週間に渡って認知課題を行った。その結果、思春期にニコチンを反復投与された成体マウスでは空間記憶課題の逆転学習の習得に遅れがみられ、また注意機能の障害も観察された。これらの認知機能障害は、成体になってからニコチンを反復投与されたマウスにはみられなかった。さらに、上記課題を行ったマウスの脳をゴルジ染色し、前頭前野および海馬の神経細胞を形態学的に解析した。その結果、思春期ニコチン投与群では、前頭前野の帯状皮質、縁前皮質、および海馬のCA3において樹状突起の長さと広がりに不全がみられた。成体期ニコチン投与群には、いずれの脳部位においても形成不全はみられなかった。
以上のように、思春期にニコチンを投与されたマウスでは、前頭前野や海馬の神経細胞に発達不全が見られた。一方、成体期にニコチンを投与されたマウスの脳では形成不全は観察されなかった。従って、思春期は成体期と比較してニコチンの影響を受けやすく、思春期にニコチンを摂取すると脳神経の発達に永続的な変容が生じる可能性が示唆された。また、思春期ニコチン投与によって生じた神経発達不全は認知機能に影響を及ぼし、逆転学習や注意機能の障害をもたらす可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Neuronal characteristics of mice exposed to nicotine during adolescence2014

    • 著者名/発表者名
      Toshiko Suenaga, Yoko Ogawa, Hongrui Meng, Daiichiro Nakahara
    • 学会等名
      The 74th Meeting of the Japanese Society for Animal Psychology
    • 発表場所
      INUYAMA INTERNATIONAL SIGHTSEEING CENTER
    • 年月日
      2014-07-19 – 2014-07-21

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi