本研究は,これまであまり研究の進展が認められなかったヒト検出過程の特性について明確にすることを目的とした。自然なシーンの中からヒトを検出する場合,近距離の場合には正面顔がヒト検出の手がかりとして重要であるが,中遠距離では,顔よりも身体の手がかりの重要性が増すことが示された。さらに,いずれの場合でも肌の色や髪の毛,服の形や色などの顔以外の手がかりもヒト検出の手がかりとして有効であることが示唆された。 さらに,空間周波数成分の画像処理を用いた研究では頭部の検出は人物同定や表情認識よりも遠距離から可能なことと,正面向きと肌の色が遠距離でも手がかりとして有効なことが示された。
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