海馬依存性学習の成績の日内変動と、この日内変動へのメラトニンの影響について検討した。課題遂行時間帯に基づいてラットを4群に分け、新奇物体再認課題または新奇位置再認課題を行ったところ、暗期のほうが好成績であった。新奇位置再認課題成績の日内変動へのメラトニン投与の影響は、明期では促進的、暗期では抑制的であったことから、学習を促進させるメラトニン濃度の範囲の存在が示唆された。海馬CA1領域の長期抑圧(LTD)に対するメラトニンの効果をスライス標本によって検討したところ、メラトニンはNMDA受容体依存的LTDには促進的に作用したが、代謝型グルタミン酸受容体依存的LTDには調節的作用を及ぼさなかった。
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