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2014 年度 実績報告書

認知の左右差における生物学的要因と文化的要因の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 24530923
研究機関専修大学

研究代表者

大久保 街亜  専修大学, 人間科学部, 教授 (40433859)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード左右差 / 注意 / 利き手 / 文化比較
研究実績の概要

本研究では,3カ国にまたがり認知や行動の左右差について文化比較を実施した。特に大脳半球機能差に起因する認知や行動の左右差に焦点をあて,文化的要因と大脳半球機能に由来する生物学的要因の相互作用について検討を行った。
代表的な研究成果として,利き手の測定方法の開発とそれを使用した文化比較のデータがある。利き手は脳の構造や機能的な差異と相関するため,さまざまな研究や臨床の現場で測定される。しかし,本邦では信頼性と妥当性が十分に検討された利き手の測定方が確立していなかった。そこで,オーストラリアのフリンダース大学と共同で信頼性と妥当性を備えた利き手の測定法を開発した。そして,この測定法をつかい,オーストラリアと日本の比較を行ったところ,右利きと左利きの比率に大きな違いはないものの,両利きの比率に差があった。具体的には日本では両利きがオーストラリアより少なくなった。これは日本で,右利きへの矯正がオーストラリアよりも多く行われることを示唆する。この利き手の測定法の開発は日本心理学会大会において学術大会優秀発表賞を受賞し,さらに同学会の論文誌「心理学研究」に掲載された。
また,注意分配の左右差について,日本,ノルウェー,オーストラリアの間で比較を行った。Framed-line testで用いられる線を枠で囲む刺激を用い実験を行ったところ,日本人では刺激の左側に注意を向けることを示す回答が見られ,枠の大きさが増大するほどその傾向が強くなった。一方,ノルウェーとオーストラリアではその傾向がなかった。この文化差に上述のテストで測定した利き手得点は影響しなかった。
本研究では,認知と行動の左右差について,(1)代表的な左右差である利き手を測定する手法を開発し,それに基づき文化差を測定した。そして,(2)注意が関連する認知機能の文化差に利き手のような生物学的側面が影響しないことを明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 日本語版FLANDERS利き手テスト:信頼性と妥当性の検討2014

    • 著者名/発表者名
      大久保 街亜・鈴木 玄・Michael E. R. Nicholls
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 85 ページ: 474-481

    • DOI

      http://doi.org/10.4992/jjpsy.85.13235

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 日本語版オペレーションスパンテストによるワーキングメモリの測定2014

    • 著者名/発表者名
      小林 晃洋・ 大久保 街亜
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 85 ページ: 60-68

    • DOI

      http://doi.org/10.4992/jjpsy.85.60

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 対人依存傾向が視線方向判断に与える効果2014

    • 著者名/発表者名
      石川健太・山口美和子・澤幸祐・高田夏子・大久保街亜
    • 雑誌名

      心理学研究

      巻: 85 ページ: 87-92

    • DOI

      http://doi.org/10.4992/jjpsy.85.87

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The lateral posing bias in social exchange2014

    • 著者名/発表者名
      Matia Okubo, Kenta Ishikawa, Akihiro Kobayashi, HIkaru Suzuki
    • 学会等名
      The 55th annual meeting of Psychonomic Society
    • 発表場所
      Hyatt Regency Long Beach
    • 年月日
      2014-11-20 – 2014-11-23
  • [学会発表] フランダース利き手テスト日本語化の試み2014

    • 著者名/発表者名
      大久保街亜・鈴木玄
    • 学会等名
      日本心理学会第78回大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2014-09-10 – 2014-09-12
  • [備考] 科学研究費補助金 基盤(c)「認知の左右差における生物学的要因と文化的要因の相互作用」

    • URL

      http://www3.psy.senshu-u.ac.jp/~mokubo/kakenhi.html

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公開日: 2016-06-01  

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