走行や水泳は、そうした運動の直前に摂取した味(例えば、サッカリン溶液)を避ける学習をラットにもたらす。走行性味覚嫌悪は多くの研究室で多様な手続きにより実証されているが、水泳性味覚嫌悪は十分に確立されていない。本研究は、この2種類の学習に異なる生理的過程が作用していることを示した。また、水泳性味覚嫌悪を他種(マウス)で示すことは困難であるなど、この学習の普遍性と頑健性での限界が明らかとなった。なお、主要な付随的研究成果は以下の通り。(1)水温の違いは水泳性味覚嫌悪にほとんど影響しない。(2)味つき水で泳ぐとその味に弱い嫌悪が形成される。(3)走行性味覚嫌悪には内臓不快感(吐き気)が関与する。
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