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2013 年度 実施状況報告書

m系列変調法の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 24530932
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

竹市 博臣  独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 専任研究員 (60242020)

研究分担者 軍司 敦子  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所知的障害研究部治療研究室, 室長 (70392446)
キーワード生理 / 聴覚認知
研究概要

m系列変調法は、脳波から事象関連電位(信号)を加算平均なしで短時間に記録する方法であり、本研究ではこの技法の技術的高度化をめざしている。
平成25年度は、平成24年度に採取したデータ(健常成人(N=17)が、ヒトの音声(Voc)、ヒトの声ではない物体音や環境音(NonVoc)、ならびに音声または環境音の包絡線を保ってスペクトルをランダム化したスクランブルのm系列変調音(ScrVocおよびScrNonVoc)を聴取しているときの脳波(Fpz、Fz、Cz、Pz、Oz、FC5、T7、CP5、FC6、T8、CP6の11電極から鼻尖を参照として記録))の一部を再分析した。それぞれの刺激について、α帯域、β帯域、γ帯域に分けて電極間の総当たりコヒーレンスを求め、Voc - NonVoc と ScrVoc - ScrNonVoc それぞれのパターンとコヒーレンス値の差の二乗和平方根を求めた。α帯域、β帯域、γ帯域のどの帯域でも、Voc、NonVoc、ScrVoc、ScrNonVocのいずれの場合にも、正中の、特に隣接した電極どうし、左側頭電極どうし、右側頭電極どうしのコヒーレンスが高いパターンを示した。コヒーレンス値の差の二乗和平方根はVoc - NonVoc > ScrVoc - ScrNonVoc となり、この傾向は分析したすべての被験者で認められた。Voc - NonVoc で認められるパターンについて個別の帯域ごとに吟味すると、声認知のaSTS優位との関連の可能性が示唆された。ただし、これらのパターンに現れたコヒーレンスの差は小さなもので、概して統計的に有意な水準ではなかった。結果として、機序は明確ではないが、コヒーレンス値をVoc、NonVoc、Scr_Voc、Scr_NonVocの間で比較することで声特異的反応を被験者ごとに検出できる可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計測脳波の2種類の解析ならびに考察をおこなうことができ、これは、当初の研究計画調書のうち80%程度を達成したといえる。しかしながら、平成25年度までの成果について、重要なものは学会発表を通じて公表できたものの、学術誌としての公表にあたり現在解析の再検討をおこなっており、当該年度内に成果の誌面発表に至らなかったという点で、やや遅れていると内省した。

今後の研究の推進方策

研究計画調書に準じ、計測脳波の解析ならびに脳磁図計測・解析・考察をすすめる。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の成果を平成25年度中に公刊するに至らなかったことなどから平成26年度使用額が生じている。
平成26年度は、平成25年度に継続して、データ解析を継続するのに必要な物品費、m系列変調法の高度化に関する調査・情報収集・研究発表・成果普及のための旅費、成果の公刊に要する費用に研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] Beta rhythms of electroencephalography during voice perception in persons with/without autism spectrum disorders.2013

    • 著者名/発表者名
      Atsuko GUNJI, Hiroshige TAKEICHI, Tomoka KOBAYASHI, Kota SUZUKI, Hisako YAMAMOTO, Akira YASUMURA, Masumi INAGAKI
    • 学会等名
      Poster Symposium at the End of the Year 2013 on the Interdisciplinary Research of Perception and Cognition, Kyushu University.
    • 発表場所
      九州大学,福岡.
    • 年月日
      20131203-20131203
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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