研究実績の概要 |
一つは3年間継続して高校の授業訪問である。北星余市高等学校(2014年11月)神奈川県立田奈高等学校(2015年2月)など26年度は高校の教育困難校で、生徒の発達支援を行っている学校を中心に訪問した。とりわけ北海道立A高校は3回の訪問(2014年7月12月2015年2月)を行った。A高では、困難な家庭背景、成育歴を持つ生徒に現代社会で彼らの身近なテーマを取り上げ、感想を互いに紹介することで自己表現と共有を促す取り組みを行っていた。その取り組みに関しては、生徒の感想の内容分析を行い「学習指導と生活指導(発達支援)をつなぐ試み‐「授業」を通して生徒の自己表現と内省を支援する‐」(高橋 2015)として実践報告と考察を行った。 二つめとして、大学入試改革をめぐる高校教育の動向と課題に関し、主に授業方法に焦点を当てて、諸国のカリキュラムと比較しつつ考察を行った(「海外における学習意欲を高める試み- スウェーデンの高校の事例を通して」(教育と医学 2015年4月号)”Recent Attempts to Improve Curriculums and Lessons in Japanese High Schools”(The 5th Pacific Rim Conference of Education,Taipei, 2015))日本の高校のカリキュラムは細かく設定された内容を学ぶ”履修主義”であり、授業も過密で教員も多忙な中、参加的な学習および生徒の課題に沿った学習を行う際には矛盾を抱えている。しかし、生徒の生活や職業に近い題材を取り上げていくことが生徒の学習意欲の向上に際しても重要ではないかと考えられる。 他に、教育実践を記述する方法論を考えるために「教育実践者の発達に資する実践の観察と記述」(第26回日本発達心理学会 ラウンドテーブル 2015年3月)を実施した。
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