新教育に対するマカーレンコの立場、および新教育から受け継いだものは何かという問題を解明すべく、平成26年8月15日~30日に研究代表者が出張し、ニージニィ・ゴーロド教育大学でのセミナーへの出席・発表を行った。そこで、研究代表者がとっている立場とフラローフ学派がとっている立場の相違をより鮮明にするための論議と資料収集を行ってきた。また、10月に開催予定の「マカーレンコ国際シンポジウム」について、組織委員として研究大会の方針と運営について計画立案を行ってきた。 新教育とマカーレンコの連続・断絶関係を当時のソビエトロシアの状況を勘案しながら、マカーレンコの新教育との断絶と独自性を「A.C.マカーレンコとソビエトロシア訓育・実践論の形成にかんする考察」〔『教育史学会』、第58回大会(日本大学文理学部)、2014年10月5日〕として学会発表を行い、問題提起を行った。 また10月30日に開催された「マカーレンコ国際シンポジウム」において、"Современное значение исследования Макаренко - Трактовка труда в наследии А. С. Макаренко и в современном фирософии по книге 《Ханны Арендта и К. Маркса》"というテーマで発表を行った。これは、当時のソビエトロシアの地域および国家共同体における新しい社会・人間関係の再構築の必要性について提起したものであり、現代ロシアおよび日本の諸課題の解決にも必要なことについて提起したものである。 これら一連の資料・文献を踏まえた論文化、著書としての出版ということが今後の課題となっている。
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