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2014 年度 実績報告書

デューイ教育思想における「ヘーゲル主義的なもの」とその再評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530952
研究機関名古屋大学

研究代表者

松下 晴彦  名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10199789)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードデューイ / アメリカ / 教育哲学 / ヘーゲル
研究実績の概要

本年度(最終年度)の目標は、シカゴ大学、南イリノイ大学、同大学のデューイ研究センターにて収集したデューイの講義ノート(聴講生による講義記録)を分析し、アメリカにおけるヘーゲル主義の受容とその水準とを比較しながら、デューイの思想形成、特に初期の観念論期、中期の実験主義期、後期の自然主義期のうち、シカゴ大学からコロンビア大学に在籍中におけるドイツ観念論からの影響、アメリカの哲学風土におけるヘーゲル主義の影響、およびヘーゲル哲学そのものからの影響を考察し、ヘーゲル的な残滓や要素の有無、それらの超克を確認することであった。
特に最終年度における本研究の主題は、デューイ教育思想においてヘーゲル哲学がどのように受容され、あるいは超克されたかを精査することにあったが、デューイ特有の鍵言葉、探究、経験の連続性と再構築、方法と題材を峻別しない教材概念、社会的知性と習慣への注視、民主主義概念や共同体概念などにヘーゲル的な残滓を確認することができた。一般にデューイ哲学は機能主義的であるといわれてきたが、本研究ではヘーゲル的な弁証法的な術語の組み立てを確認した(例えば、教育学における教材概念を機能主義的かつ弁証法的に言えば、「題材」は分解されて、事実的な要素と観念的な要素となり、展開されて「方法」ということになる)。これらの研究は、デューイの教育思想の形成期、実験主義期を中心に遂行したが、今後の課題は、後期の自然主義期における芸術論、宗教論において、ヘーゲル哲学の残滓がみとめられるのかどうか、それらがどのように超克されたのかを精査していくことである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 1903年から1915年のデューイによるヘーゲル解釈とその批判2015

    • 著者名/発表者名
      松下晴彦
    • 雑誌名

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要

      巻: 61 ページ: 43-51

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] デューイの道具主義的論理学2014

    • 著者名/発表者名
      松下晴彦
    • 雑誌名

      名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要

      巻: 61 ページ: 1-10

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 現代アメリカ教育思潮の変遷と展望-政治哲学・文化政治学・教育政策からみるアメリカの教育の動向2014

    • 著者名/発表者名
      松下晴彦
    • 学会等名
      アメリカ教育学会第26回大会
    • 発表場所
      名古屋大学教育学部
    • 年月日
      2014-10-25

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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