研究課題/領域番号 |
24530960
|
研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
川本 龍一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (50542908)
|
研究分担者 |
阿部 雅則 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40432786)
楠木 智 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70568823) [辞退]
熊木 天児 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (30594147)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 地域指向性 / 尺度 / へき地医療 / 学生 / 地域医療実習 |
研究実績の概要 |
目的】地域医療実習を受けた学生のポートフォリオを参考に地域指向性を測る尺度の開発を行う。 【方法】平成21年度の愛媛大学医学部5年生全員が記述した地域医療実習のポートフォリオを参考に地域指向性尺度となる候補項目を抽出した。地域医療実習は2つのへき地を舞台に5日間かけて実施されており、学生はその日の実習を通して「今日新しく気づいたこと」、「今日うまくいかなかったこと」、「今の気持ち」、「今後学びたい内容」を毎日1枚の用紙に記載するよう指導されている。それらを基に地域指向性を測る尺度となりうる82項目から成る候補を選定した。重複項目を削除・統合し、最終的には「将来、地方での地域医療に関わりたい」とする質問と有意な関係を示す28項目を選定した。 【結果】因子分析を重ね最終的に20項目から成る質問紙を開発した。5因子から成る尺度(累積寄与率は50.6%)であり、因子1は地方での生活や仕事の愉しみ・やりがい・興味といった特徴で構成されていることから「生活」とラベルした。因子 2は優柔不断・自己犠牲の精神・思いやり・社交性・感性など自分自身の性格の特徴から構成されていることから「自身の性格」というラベルにした。因子3は医療行政・福祉面でのサポート・外来での管理・多職種連携といった仕事における具体的な内容を表す特徴から構成されていることから「仕事の特徴」というラベルにした。因子4は地方の地域医療に関する評価・発展性・自身といった捉え方を表す特徴で構成されていることから「地域医療に関する評価」とした。因子 5は具体的な生活や高齢者とのコムニケーションを表す特徴で構成されていることから「ライフスタイル」とした。この尺度のCronbach's は0.860であった。 【結語】我々が開発した地域指向性尺度を用いて、地域指向性を持たせる学部教育の在り方、地域医療実習内容の提言などへの活用を計ることが期待される。
|