研究課題/領域番号 |
24530962
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
白石 陽一 熊本大学, 教育学部, 准教授 (60187523)
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研究分担者 |
大津 尚志 武庫川女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40398722)
望月 一枝 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60431615)
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キーワード | 労働 / 家族 / シティズンシップ / 市民 / アクティブラーニング |
研究概要 |
労働と家族の問題をリンクさせたアクティブ・ラーニングの授業実践構想と教育方法の研究を行うために、平成25年度は、情報収集、資料収集、研究協議を行なった。労働と家族をリンクさせた授業構想、若者自立のための観点、シティズンシップ教育の構想、などについて、研究分担者(大学教員)と研究協力者(高校教員)が共同して、全国の高校教育実践の先進的試みを収集し、分析検討を行った。 研究協議としては、全国的な研究大会や研究フォーラムの場を活用した。それは、以下のとおりである。平成25年4月6日(土)「労働と家族の問題をリンクさせたアクティブ・ラーニングおよびシティズンシップ教育」に関する研究協議(東京大学教育学部)、平成25年8月3・4・5日、全国高校生活指導研究協議会・全国大会(京都、同志社中学校・高等学校)、平成25年9月14・15日、高校生活指導研究協議会全国フォーラム(名古屋市、大同大学)12月14・15日、同全国フォーラム(大阪市あい粂旅館)である。 研究協議の際に、論点整理、先駆的実践記録の収集・分析・評価なども行った、そのさい 研究代表者の白石陽一は、労働、進路、職業、総合学習、自治的参加型の学びなど観点を統合した授業実践の試みについて研究協議を行った。また、教育実践を分析する枠組みの研究として、「教育実践記録の『読み方』(II)-「文学理論」を参考にして―』」(『熊本大学教育学部紀要、人文科学』2013年12月)を執筆した。 望月一枝は、2013年3月23日(キャンパスイノベーションセンター東京)において「生徒のナラティブを用いた授業デザイン」に関する講師をつとめた。白石と大津尚志は、平成25年11月17日和光高等学校の研究集会に参加し、シティズンシップ教育に関する研究協議と資料収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
労働と家族のリンク支える観点については、白石は、労働、進路、職業、総合学習、自治的参加型の学びなど観点を統合した授業実践の試みについて研究協議を行った。また、参考文献の分析、解読も進み、文献研究については、ほぼ順調に研究は進んでいる。 望月は、高校生活指導研究協議会の大会および機関紙において成果報告を行うとともに、「家庭科の実践研究の活性化」「生徒のナラティブを用いた授業デザイン」で成果報告を行ない、『生きる力をつける学習・未来をひらく家庭科』(共著、教育実務センター、2014年3月)を刊行し、「家族の観点から考えるシティズンシップ教育と憲法」という論文を公表している。したがって、論点整理、情報収集という観点では、研究はほぼ順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
授業実践構想を具体的に提示し、授業のモデルを作成するという点に関しては、大津尚志は、すでに「『模擬投票』をとりいれた教職課程における日本国憲法授業の試み-アクティブ・ラーニングの一環として-」『教育学研究論集(武庫川女子大学紀要、2013年3月)を報告しており、この方面の研究を発展させる予定である。 望月の成果報告論文である「生徒のナラティブを用いた授業デザイン」「家族の観点から考えるシティズンシップ教育と憲法」を発展させる構想もある。 大阪の研究協力者を得て、「生きる」力を育てるための貧困・生活保護、セーフティネット、ワークルールなどの観点から見たシティズンシップ教育、市民教育の授業・総合学習の実践成果についても、発展的に整理する予定である。 以上の実践・研究成果を整理・統合する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、学会参加などの旅費の支出を予定していたが、都合により参加することができなかった。(研究分担者の一人)したがって、旅費分を執行することができなかった。 平成26年度は、専門学会および高生活指導研究協議会の全国大会に参加し、研究成果報告や資料取集を行う予定である。したがって、昨年度執行することができなかった予算は、今年度には完全に執行できる予定である。
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