研究課題/領域番号 |
24530962
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
白石 陽一 熊本大学, 教育学部, 准教授 (60187523)
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研究分担者 |
大津 尚志 武庫川女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (40398722)
望月 一枝 日本女子大学, 家政学研究科, 研究員 (60431615)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アクティブ・ラーニング / シティズンシップ教育 / 若者支援 / 家族 |
研究実績の概要 |
最終年度は、若者が直面する困難をふまえ、生活現実の根ざし、若者の自立を支援する教育実践と授業実践のあり方を考察するという研究目的を追求する提言を行った。 生徒が「ヒューリスティックな学習経験」をするためには、東日本大震災の被災者の語りから現代的な課題をみつめ、授業構想とすることが必要であると考えた。研究課題「労働と家族の問題をリンクさせたアクティブ・ラーニング」という観点でいえば、「労働」の場を失い「家族」がバラバラになった被災地でどのように歩みだすか、東北地区6県の被災の聞き取りと授業構想と教育方法を『東日本大震災と家庭科』(ドメス出版)として公刊した。また、高校生徒会活動の予算運用や総会など、アクティブな活動と市民としての力量開発を論じた。家族の視点から憲法を考える「シティズンシップ教育」、家庭科と市民の間にある理論的課題を論じ、私的領域と公的領域をつなげて考える授業構想のあり方を提示した。 アクティブ・ラーニングの研究の一環として、アメリカ合衆国で行われている教育実践である、パブリックアチーブメントについての研究を行った。パブリックアチーブメントとは、子どもが自らパブリックな問題について、既存の社会に影響をあたえることも含めて公的な問題を解決することを含めて学習するという教育方法であり、そこでとりあげるテーマは「貧困」などである。アメリカでの貧困率が高い学区でこのテーマは取り扱われており、日本における「子どもの貧困と教育」を考察する際に示唆を与えてくれる。 若者の自立を支援するための教育実践について、全国レベルで高校教員との研究協議を行い、生徒会、総合学習、進路指導などの基礎となるシティズンシップ教育の在り方について論究した。
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