研究課題/領域番号 |
24530965
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
土方 苑子 東京大学, 教育学研究科(研究院), 名誉教授 (50099909)
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研究分担者 |
山口 真里 駿河台大学, 経営経済学部, その他 (00573677)
高野 暁子 立正大学, 公私立大学の部局等, その他 (10625213)
鵜殿 篤 文京学院大学, 人間学部, 准教授 (20614499)
加島 大輔 愛知大学, 文学部, 准教授 (90555442)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 子ども / 家族 / 教育 / 学校 / 教師 / 養育 / 貧困児童 |
研究実績の概要 |
今年度は最終年度であることから、これまで分担して進めてきた研究の相互関係を確認し、全体のまとめを目指してきた。現在3年間の成果となる論文集を作成中である。 詳細は3年間のまとめに際して述べる予定であるが、今年度に限って言えば、全体として次のようなことを明らかにしてきたと考える。すなわち第一に、人々の関心が深まり近世以降教育論の一部となってきた出産、子育ての問題であるが、これを著作に即してかなり長いスパンで概観することができるようになったことである。第二に、学校制度と共に初めて教師という職業が作り出されるが、その職業的な自覚や内実がどう形成されるか、著作を追うことによって教師そのものに即して明らかにしてきたといえる。第三に教育観、教育論の近代性を確認するためのキーワードの一つともいえる「個人」、「個性」の考え方が著作の中でどう芽生えてきたのか、明治十年代以降の教育学の変化を追跡し、明らかにした。以上の三点が、今年度特に研究としてある程度のまとまりが見られるようになった問題である。また過去の2年間の研究において、明治維新という社会的大変動を経て学校制度が生み出される過渡期において、言い換えれば近代が芽生えつつあるが他方で学校制度はまだ無いという極めて限定的な時期における教育論をこれまでになく精緻に描き出してきた。さらに貧困児童の形態が後とは異なることについても研究の進展を作り出してきたと思う。以上のような諸点について、方法的には著作群に広く当たり、予断を含めずその時期にどう記述されているかに基づいて問題を明らかにしてきたところに本研究の特徴がある。本年度は過年度の成果と併せて成果報告書として作成する作業もあわせて行ってきた。
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