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2015 年度 実績報告書

ケイパビリティ概念の教育哲学的検討とそれに基づくキャリア形成支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 24530969
研究機関東京家政大学

研究代表者

走井 洋一  東京家政大学, 家政学部, 教授 (30347843)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード教育哲学 / 就労支援 / キャリア形成支援 / コミュニティ / 生の哲学 / ケイパビリティ
研究実績の概要

平成27年度は最終年度にあたることから,①若者の就労支援を担う地域若者サポートステーション(以下「サポステ」)の運営主体が利用者のニーズとコミュニティのニーズを結節させて新たな就労支援の枠組みを提供しているケースへの調査(加えて,サポステを中心としていないものの,その先進的なケースと考えられる事例についての調査),②コミュニティへの参加の在り方をどう捉えるのかという点についての理論研究,をこれまで行ってきたことをふまえて,就労支援の枠組みにおいてどのようなスキームが成り立ちうるのかについての包括的かつ総括的な研究を進めた。
これまでの調査・研究の成果から,一般就労の準備段階ではない社会的就労,あるいはコミュニティ就労の実現に向けた具体的方策を見いだす必要が生じたため,その実現可能性をより高めるために,イギリスでの先進的事例についての実態調査を行った。その結果,イギリスでの先進的事例においては,どの組織においても当事者主体の支援がなされており,制度も組織ではなく,当事者が利用するプログラムそのものに補助金が出される仕組みであった。制度を当事者の状況に応じて可変的に運用できる利点があるのはいうまでもないが,社会権の包括的保障という認識が定着していると考えられる。そのため,社会がもつ何らかの枠組み(一般的就労に求められる人材,など)に象徴される価値や論理に当事者を同調させるのではなく,当事者自身が社会にいかなる位置を見出すのか(社会そのものが当事者との関係を組み立て直すことを含む)を支援することに力点が置かれることになる。そして,人間が構成する社会においては,そうした関係の構築はお互いの信頼(互酬性,ないしは社会関係資本と呼んでもよいが,むしろより情緒的な関係であると考えられる)があってはじめて成り立つこともまた本研究においては明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 就労支援と学校教育─イギリスと日本との就労支援の在り方とその背後にある思想に着目して2016

    • 著者名/発表者名
      走井洋一
    • 雑誌名

      イギリス視察報告書(「非営利協同総研いのちとくらし」)

      巻: 2016年 ページ: 34-40

    • 謝辞記載あり
  • [図書] 教育的思考の歩み2015

    • 著者名/発表者名
      笹田博通編,走井洋一ほか著
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2017-01-06  

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