パリ大学総長に生涯に二度選出された経歴でも知られるシャルル・ロランCharles Rollin(1661-1741)は、1726~1728年に『人文学を教え,学ぶ方法―知性と心につなげて―』(全4巻)を公刊し,1734年にはその『補遺』も刊行した。彼の著書は好評を博し,『学校教育論』という略称で呼ばれて19世紀後半まで国内外で広く読まれていった。 本研究は,そうしたロランの教育論の内容を日本では初めて本格的に検討し,19世紀前半までの受容を解明する作業も通じて,フランス近代学校文化の形成を新たに捉え直す試みである。
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