研究概要 |
研究目的に従い,本年は、Fr.フレーベルのスイス時代(1831-1836)の教育実践記録及びベルン州、ルッェルン州両政府との学園(施設、孤児院を含む)の開設や運営に関する交渉過程(州政府への提出書類)、報告書提出時の諸資料を(1)スイス・ベルン市民古文書館、(2)スイス・ベルン国立古文書館、(3)スイス・ルッェルン国立古文書館の三古文書館を訪問し,調査、収集を行った。 (1)ベルン市民古文書館では関係未刊行資料の447点を古文書館の支援で撮影デジタル化が可能となり,入手することが出来た(デジタル化費用、126,870円)。(2)ベルン国立古文書館では直接当時の『官報』(公式手書き書類)等のデジタルカメラによる収集を行い,記号AKT/24-140の全体,並びに記号PA 377/8の全35巻の調査をおこない関係資料を収集した。とくに、記号FAA 2484の家族古文書の1830年代のヴィルザウに於けるフレーベルの教育施設、213/736のフレーベルの直筆書簡の写真2点は極めて重要な古文書である。(3)ルッェルン国立古文書館では『官報』の213/736,24/140A,FAA2484,PA254/191,PA668/835の4点,並びに,記号PA 668/835の6点をデジタルカメラで収集、フレーベルのヴィルザウ滞在期間の全資料を収集した。この資料は日本人としては初めての調査であり、その資料は極めて貴重で重要な未刊行資料といえる。現段階でもこれらの資料からフレーベル像の再検討が必然と判断される。 現在、これらスイス現地での調査によって収集した緒資料の解読と分析を鋭意行っているところである。最後に3館の館長,並びに担当古文書員の支援と助言に謝意を表する。
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