研究課題/領域番号 |
24530983
|
研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
深堀 聡子 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (40361638)
|
研究分担者 |
立石 慎治 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター(併)高等教育研究部, 研究員 (00598534)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 高大教育接続 / コンピテンス / 教育課程の体系化 / 教育評価 / チューニング / アドバンスト・プレイスメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高校と大学の教育接続の在り方を明らかにすることである。この目的に向けて、平成26年度には日本のSSH(スーパーサイエンス・ハイスクール)、欧州チューニング、及び米国のAP(アドバンスト・プレイスメント)に関する調査を行った。 日本のSSHの調査では、キーコンピテンシー概念に基づく科学リテラシーの育成に向けて、各教科・科目の中でPBL等の先端的手法を駆使した取組が精力的に展開されており、高校生が確実に力をつけている実感が教員間で共有されていたが、取組を評価する枠組みの制約から成果を十分に可視化することの難しさが浮き彫りになった。21世紀型の新しい能力を育成する作業に取り組みながら、学習指導要領とは異なる新しい教育評価の枠組みも同時に開発することは、限られた期間に実践家が達成する課題としては困難であり、教育学の専門家を含むチームによる、より組織的・制度的取組が必要である。 欧州チューニングは、コンピテンスに基づく教育課程の体系化を図る方法論である。育成したいコンピテンスの観点から教科・科目を配置して、所定の期間に育成可能で測定可能な学習成果を定義して、その習得に対して単位認定・学位授与していくことによって、学校種や学年段階を貫く教育の連続性が保証される。 米国APは、高校と大学の間で育成したい能力枠組みと教育評価の枠組みを整合的に接合する方法論である。APでは、訓練を受けた高校教員が大学1年生(一般教育課程)レベルの教育を高校で提供し、その授業を履修した高校生が共通試験で所定の成績をおさめれば、大学で単位を取得する権利を得ることができる。AP試験の採点は高校と大学の教員が一堂に会して全国規模で行うが、この採点会における採点基準の具体的な調整プロセスが、高大間で教育課程と教育評価の枠組みに関する共通理解をもたらすうえで極めて重要な役割を果たしている。
|