東日本大震災の最大の特徴が、従来の震災と異なり、原子力発電所の事故による「原発震災」にあることに注目し、東日本大震災の「縮図」とも言える福島県及び双葉郡に焦点をあてた。大震災後の地域社会の復興を支え地域の課題解決に向けて協働的に取り組む住民の成長を可能とする社会教育・生涯学習活動の展開過程を把握することに本研究の意図は置かれている。そうした諸活動の基盤には、被災の経験から対話的に学び協働的に将来に向かい地域コミュニティの再生と創造に努力する実践があり、いずれも暮らしとそれを支えた地域社会を問い直し、地縁を手がかりに<学び合うコミュニティ>の形成が進められていた事実を確認することができた。
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