本研究は英国のエスニック・マイノリティ児童生徒の学力向上政策の成果と課題について、文献調査、インタビュー調査、アンケート調査、カリキュラム分析等を通して明らかにしようと試みた研究である。その結果、1997年2010年の英国労働党政権下では、エスニック・マイノリティ学力向上補助金を確立し、白人英国生徒とエスニック・マイノリティ生徒のGCSEの到達度の差が縮められた。しかし、2010年の政権交代後の連立政権下では、2010年に前述の補助金が廃止され、EAL教員のサポート活用が縮小されていった。その結果、2012年以降のGCSEの結果を比較すると、両者の到達度のギャップが広がっていることがわかった。
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