小中一貫校の教師たちは、校種間の相違に基づく葛藤への対処として自他を対象化し一貫校について語る文化的道具としての談話を獲得した(1年目)。各校種の教師であり一貫校の教師でもあるという立場から小中相互の実践を観察し、相互の仕事を理解するとともに子どもを発達的視点でとらえたり(2年目)、一貫校に独自の子どもの姿をとらえるようになった(3年目)。また、個人として実践を創出(2年目)することから小中一貫校としての実践の構想(3年目)が可能となった。獲得した談話を用いて活動し、実践を創出し共有する過程は、校種間の葛藤への対処から一貫校の教師としてのアイデンティティや成員性を獲得する過程と同期していた。
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